--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

2007.02.09 (Fri)

望むことがあるとすれば<3>3度目のプロポーズ

世の中はいつの間にかバレンタインの季節らしい。

コンビニもそうだが、スーパーにもデパートにも、気が付けばあちこちの売り場に、チョコレートが山と並んでいる。
この前、東○ハンズに行ったら、そこにもチョコレート専門のコーナーが出来ていて、しかも風変わりなチョコもかなりの品数を揃えていて、珍しさに感動したよ。

って、別にチョコを買う話じゃなくて。

そう言えば、去年のバレンタインデーは激しかったよな・・
(何が!? とかは聞かない約束。汗)
などと、全く違う事を思い出してみたりw

って、いかんいかん、そんなのが言いたいんじゃなくて。


書かなくてはいけないと思いつつも、何となく辛くて、関連の無い記事を続々アップしてお茶を濁してきましたが(汗)
そろそろ覚悟を決めて、一応のケリを付けておきたいと思います。

予想外に長くなりましたが、2つに分けてまた「次回」を作るというのも苦しいので、一気に書いて、この話は終わりにします。

スルー、パス、シュート(←これは違う)していただいて構いません。

我ながら重いので・・・

引き返すのなら今です。


前回までの話はこちら↓です。

<1>悲しい記憶
<注>補足とお礼をこめて
<2>夏の思い出


【More・・・】
無限の愛とは、こんなことを言うんじゃないだろうか。

そう思えるほど、居心地の良過ぎる場所を、当然のように独占して、
どれだけ贅沢に愛されているか、何度も再確認する。
何をしても許容される、まるで聖母のような愛情を彼に要求して、甘えた事もあった。

わざと枠を外れた、間尺に合わない事をしてまで、自分に注目を向けたがる子供のように、
愛想尽かしと紙一重の稚拙な我儘の果てに、そんな不様で愚かな俺でも、変わらず愛してくれと切望した。



彼が開けたのは、俺の中の淋しさ、悲しみ、怒り、そんなモノ達をない交ぜにした負の感情を閉じ込めた部屋の扉。
傷付かない為に設けた、俺の心の不可侵の壁を破り、柔らかくて脆い部分を剥き出しにした。


そして俺は、封印した筈の無防備な自分が、これ以上溢れてくる事のないように、彼と離れる事で流れに抗おうとした。




置いていかれるのは嫌だから、こちらから置いていこう。
俺の事を思い出したくない位、酷い裏切りをすれば、彼は俺を見限って他の相手を探すだろうか。
これ以上傷が深くならない内に、俺の元から去ってくれるだろうか。



その頃、俺は彼女と出会った。
俺と同じような傷を持ち、愛している相手を見るのが辛い、そんな恋愛をしている彼女と。

彼女となら、共犯者になれると思った。


彼女とのセックスは、今はもうあまり覚えていない。
俺、まだ女も抱けるんだ・・と思いながら、細く柔らかい身体を抱いた。
記憶の枠にひっかかっているのは、細い声と長い髪や絡めた指先のしなやかさ。
胸も腰も何もかも、当然過ぎる事だが、彼とはあまりにも違っていて、それを思い知らされるように、際立って感じられた。
それなのに、彼の白い肌や熱い唇や、そんなものばかりを思い出したりもした。


彼女の事を愛してはいなかったと思う。
ただ、自分を欺いても、彼女となら、親や世間が期待しているような「家庭」を作る事ができると思った。

多くの人間が思い描く家族の肖像や、温かい幻想に淡く憧れた自分。



同じ頃、彼の周辺にも、女の姿が見え隠れし始めた。
(ご承知だとは思いますが、俺の相手とは違う女性です)

彼は、あの子とはそんな関係じゃない、と説明し、俺はわかった、と事務的に返した。

でも、彼が彼女を守ろうとして広げた腕の中に、彼女が何のためらいもなく飛び込んでいく姿が、俺の目には見えた。


彼女は、俺達の関係を知っていた。




知っていて、彼の優しさを利用して、俺から完全に奪い取ろうとした。
同情心でも何でも、彼からの関心を引き付ける為に、使える手段は全て使って。


だけど。

彼から遠ざかろうとしていた俺に、一体何が言えたのか。

彼女も彼も誰も責める事なんて出来なかった。

むしろ責められるべきは自分自身だったから。




「お前、何処かに行ってしまいそうだ」

あの頃、俺を見ては、かっしーは度々そう口にしていた。
そんな彼を、変に冷めた目で見つめる俺を、彼は嵐の様に無茶苦茶に抱いた。


「何処にも行くな。俺から離れていくな」


まるで身体に刻印するように。
この地に縛り付けるように。
離れてしまった心で埋められない距離を身体で埋めるようとするかの様に、
執拗で果てしない、絡め取られるような暗示の言葉を繰り返して俺を抱きながら、彼は泣いた。


気が付けば、俺達には何も残っていなかった。

初めからあったのは、互いの心だけ。

その心さえ、ほとんど失いかけていた。


あの頃、彼がよく口にした言葉を並べてみると、どれもこれも、俺がどんな精神状態だったかをよく物語っている。



俺は自分の苦しみだけに目を奪われていて、一番大切なものを永遠に失ってしまうところだった。
あの誠実な人を、ひたむきに愛してくれる人を、自分自身の痛みから逃れる為に傷つけ、俺と同じ思いを味あわせるところだった。


彼の涙で、自分の優柔不断さが、どれだけ彼を苦しめていたかをようやく悟った。



彼は全て知っていたのかもしれない。
俺の裏切りも、あの時の嘘も全部。
知っていて、それでも傍にいる事を選択してくれたのかもしれない。

と思う自分は、どれだけご都合主義で残酷な人間なのか。





彼が病魔に倒れたのは、もしかしたら俺が受けるべき罰を、彼が代理人として背負わされたのかもしれない、とも思った。


俺は俺の生い立ちを、長いこと彼に話せなかった。
本当は弱い人間だ、と。
それを隠す為に強がって生きてきたと。
与えられない情けを乞う、哀れで恥ずかしくて情けなくてみじめだった自分の姿を思い出して。

孤独だった、淋しかった、と口に出して誰かにすがったら、みんな欝陶しがって逃げていくと思っていた。

勿論彼も。



俺は一体、何を懼れていたのだろうか。




あれが闇なら、今はそのトンネルを抜けてようやく手に入れた安息の時間。
ただひたすら彼が愛しく、彼の為に生きるのも、彼を見送るのも怖くなくなった。

そして無条件に彼の傍にいる事が、何よりの幸せだと知った。
小難しい理屈に惑わされるのを止めて、彼がそこに生きていてくれる奇跡に感謝し、死が2人を別つまで共に生きようと思えるようになった。




あの夏。


俺達は出会ってから初めて、一緒に俺のじーさんとばーさんの墓参りをした。
事情があって、今まで彼をここに連れてくる事が出来ずにいたんだ。

酒好きなじーさんの為に持ってきた缶ビールを墓の前で開けて、少し墓にかけてから、後は俺が飲んでしまった。
(墓にかけたアルコールは、ちゃんと後で水で洗い流した)
本当は供えて帰りたかったけれど、強烈で容赦ない太陽光と気温で、缶が破裂したらと思うと、それは出来なかった。

冬生まれで色白だったばーさんが、もしも元気でここにいたら、きっと相当熱がっているに違いない。
そんな事も思った。


それから、茹だるような暑さの中、燃える様な日差しの中、2人の墓前で報告したんだ。


「この人が俺が選んだ相手だよ。ずっと一緒にいるって約束したんだ」

線香を手向けながら、あまりの熱気に全身から驚く程の汗が吹き出し、背中を伝って流れるのがわかった。

耳障りな位に激しいセミの鳴き声が辺りの静けさをくっきりと引き立て、何の気配もない時が過ぎ、ふと後ろを振り返ると、かっしーが泣いていた。

驚いて立ち上がった俺が彼の傍に寄ると、彼はこちらに手を伸ばし、覆いかぶさる様に抱き締めた。

同じく墓地にお参りに来た人達や、少し離れた道から、たまたま通りかかった人達がこちらを見ている視線も感じたが、一切構わずに、彼はそのままでいた。

そして、もっと泣いた。


墓の前で号泣する男。
この体勢じゃなければ、別にありえないシチュエーションではない。
(こんなに暑いのに、わざわざくっついてるヤツなんて、男女の恋人同士でもいないという感じだったが)


碧い空と海が見える、なだらかなの丘の上で。
彼の嗚咽する、声にならない声が耳元で低く響いた。
その涙は汗と一緒に俺のカッターシャツに滲み、あるいは彼の頬を伝い落ち、地に滲みた。



1度目はクリスマスの翌日の夜。
(まだ書いていません)


2度目は彼の手術の後。


そして・・・3度目のプロポーズを彼にした。


もう、俺は彼の手を離さない。離せない。
ずっと一緒に生きていく。



これは、自分なりのケジメの付け方。
まだ足りないとは思うが、じーさんとばーさんには、彼の事を報告しておきたくて行ったんだ。
2人が生きていたらなんて言うだろう、と思いながら。

現状維持を是としていた自分と訣別する意味も込めて。

終生仲の良かった2人にあやかりたいと、そんな事も考えながら。


この自然に溢れた、明るく静謐な場所で交わした約束なら、長く続くかもしれない。
何故だか、そんな気もして。
スポンサーサイト

テーマ : 同性愛・両性愛 - ジャンル : 恋愛

23:10  |  君が好き 胸が痛い  |  トラックバック(0)  |  コメント(8)

Comment

こんにちは。Vさん ご自身の辛い足跡 を 読ませてくださったこと  ありがとうございます。
ちゃんと姿勢正して読まないと・・って、パソコン前でブツブツブツブツ。
 Vさんとかっしーさんが、こんな沢山の人の波の中で 巡り合われ こうして いてくださる事へ
何だかわからないんですけれど、本当によかったなぁ・・・って,染み入る程に思われて、
何だかわからないんですけれど、何もかもに 感謝 の思いで心溢れそうになった今日 でした。
  あ。明日のAm8:00には、お2人と一緒に、TVの前で
熱く!なりますよー! (^^
伊織 |  2007.02.10(土) 11:38 | URL |  【編集】

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2007.02.11(日) 01:53 |  |  【編集】

感想が、喉いっぱいのとこまで詰まっていて、
逆にどう言い表していいのかわからないのですが。
かっしーさんが、そこまで揺るぎない「思い」を持てたのは、
それが、かっしーさんだからなのか、かっしーさんのVさんへの思いだからなのか…。
私は、自分の感情の安定性に自信が持てないので、
人間の感情なんて移り変わるもの、と
いまだに迷子のような気持ちになることがあるのですが。
だから、かっしーさんみたいな人がいること、それを知ることが出来たことが、
とても嬉しいのです。
コロン |  2007.02.11(日) 03:02 | URL |  【編集】

このブログを読んでいて、こんなにいつも相手を愛していけるのはどうしてなのか?
こうできない自分には、何が足りないのか、考えていたのですが・・・
ここまで来るにはVさんも、いろいろな経験をされてたのですね。
Vさんを支える強いかっしーさんは、ご両親に愛されて育たれたのでしょう。
久しぶりに、ヴィム・ヴェンダースの「パリ、テキサス」を
見たくなりました。
まかろん |  2007.02.12(月) 22:15 | URL |  【編集】

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2007.02.12(月) 22:43 |  |  【編集】

レス、またまた遅いです。すいません・・

伊織さんへ

姿勢を正して読んでいただけたそうで、ありがとうございます。
袖摺りあうも多少の縁、と言いますが、その中で深い関係に変わり、長く繋がっていく関係は、一体どの位の数あるのだろうか、と。
その稀少さと貴重さを、彼との出会いの中で改めて気付かされた次第です。

>本当によかったなぁ・・・って,染み入る程に思われて

ありがとうございます。
「アホやなー」みたいな事でよく喧嘩もする俺達ですが(笑)、やっぱり一緒にいると、一番しっくりくるんですよねえ。
と、ちょっと惚気ておきますw

>お2人と一緒に、TVの前で熱く!なりますよー! 

日曜日、朝から熱くなりましたか?
モモタロス、ハナちゃん(可愛いw)にビシビシ殴られてましたね・・(ひでぇ。汗)


管理人コメント 2007-02-11 Sun 01:53 のCさんへ

まずは素敵な言葉をありがとうございます。
雨降って地固まる、というか、強い絆で結ばれることができたのは、本当に彼のおかげだと思うし、感謝もしています。
実は自分、世界一の幸せ者じゃないかと。
「また惚気か!」
と突っ込まれそうですが(笑)

唯一無二の相手、ですか・・・そうなれるように、これからも頑張っていきますよ。

霊感占い・・・?
うーん、それは見てもらいたいような、見てもらいたくないような(汗)
でも、背中を押してくれる存在としての占いであれば、心強いですよね。

本当に俺、かなりのジジババっ子だったんですよ。
見守って貰っていると思ったら、おろそかな生活は出来ないです。

愛に溢れた生活、といって頂けると、本当に嬉しいです。

Cさんがパートナーさんと築いてこられた幸せや思いをどれだけ大切に考えておられるかが、文章の隅々から読み取られます。
毎日の小さな積み重ねを、お互い大切にしていきましょう。
幸せ者同士として(笑)

俺こそ、Cさんに感謝しています。

ははは、鍋については、もう少ししたら書く予定ですがw
ヒントは「ふ」のつくアレです(笑)
でも、「ぼ」のつくアレも食べました。
どちらも美味かったですよ!


コロン姐さんへ

>感想が、喉いっぱいのとこまで詰まっていて、

ちょっと記事も詰め込み過ぎましたか?
これだけ書いといてなんですが(汗)、これでもかなり割愛した部分も多いし、敢えて書いてない事もあるんです。

人間の感情は移り変わるものですよね。
以前どこかの記事でも書いたように、俺は恋愛に永久機関はない、と思っています。
俺が揺ぎ無い想いを持つ為には、多分、恋が恋で終わるのではなく、形を変え、新たな存在として再生する必要があったんです。
でも最初、それがわからなかった。
わからないから、怖くて逃げようとしたのかな、と思ったり。
でも、同じ移り変わるのでも、少しでも良い方向に変わっていくのであれば、その努力は怠りたくない、とも思うのです。
と、偉そうに書いてみましたが、俺、彼にとって良い恋人なのかどうかと言えば、まだまだ自信はないです・・
いまだに、あの頃と変わらずに愛の言葉をくれる恋人なんて、本当に俺には勿体なさ過ぎます。
あっ、これも惚気でした、すいません(汗)

実は今回の祖父母への報告は、自分のアイデンティティに関わるような大きな意味のある事だったんです。
それもまたいずれお話できればいいのですが・・
まだまだ未熟者ですが、迷っても進んでいくことに意義があるのだと思います。
V |  2007.02.17(土) 11:44 | URL |  【編集】

まかろんさんへ

レス、遅くてすいません。

>こんなにいつも相手を愛していけるのはどうしてなのか?
>こうできない自分には、何が足りないのか

いや、決して足りないんじゃなくて、普通はここまでしなくてもいいんじゃないのかと(汗)
といっても、普通の幸せが何なのか、俺には正直わからないところもあるんです。

穏やかで緩やかな感情で構築された幸せや愛情を持てるのなら、それに越した事はないと思います。
激情や衝撃的な経験は、単なる通過儀礼を通り越して、時には毒になることもあるから。
ほら、ヤバいのって、クセになるでしょう?(笑)
そんな感じです。

まあ、直接口に出して言わなくても、いつも彼の存在が俺自身の基盤にある事は確かなのですがw
彼は口に出して言って欲しいかも知れませんがね・・

かっしーはかっしーで、彼の家族との軋轢や葛藤もそれなりにはあったようなのですが、愛されて育った人間って本当に強いですよね。
愛情深く見守られて育つ、と言う事が、どれだけその人間の生涯に影響を与えるか、身につまされる感じです。

でも、いつも支えられるだけじゃなくて、そんな強い彼を支えたいとも思っているんですけどね(照)

>ヴィム・ヴェンダースの「パリ、テキサス」

ネットでちょっと見てみたのですが。

悲しい中にも一筋の光明を見つけ出そうとするような、生きる事をきちんと描いている映画みたいですね。
レンタルしてみよう。
V |  2007.02.17(土) 12:55 | URL |  【編集】

管理人コメント2007-02-12 Mon 22:43 のCさんへ

実は今も、うだうだと悩む事はありますが(笑)

>全てをありのまま認めて許す・・

そうかもしれませんね。
回顧すると、あの頃の自分は我ながら、どうしようもない人間だったな、と。
それは人間関係を突き放してみる事でしか許せなかった、そんな心の持ちようが起因していたのかもしれません。
相手の弱味や醜い部分を全て受け入れて包容する。
自分がそう出来ないから、彼にもそれを要求しようとしなかったのだと思います。

考えてみると、年数が経過して(つまり、年くって、という事なんだけどw)初めて許せるようになった事も多いですね。
だったら、年を取るのもそんなに悪くないな、と思います。

互いの想いがいつまでも続く事、俺も望んでいます。
ありがとうございます。
V |  2007.02.17(土) 12:59 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除に必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://shaguma.blog45.fc2.com/tb.php/231-8c855fc7

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。