--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

2006.11.26 (Sun)

命の別名。

あれはまだ中学生の頃。

自分の運命を変える女性に出逢った。


【More・・・】
「自分」の存在に意義を見出せずに、自暴自棄になっていた俺を導いてくれた人だ。
俺よりかなり年上でビジネスをしていた人だったから、いつも驚く程パワフルで、佇まいもキリッとしていた。
万人が思い描くようなキャリアウーマンって感じで、なんとも言えない雰囲気のある綺麗な女性だった。

彼女に出逢えなかったら、そして彼女がいなかったら、きっと今の自分はここにいないし、かっしーと出逢う事だってなかった。


良い関係に恵まれなかった俺の家族の代わりに、いや、もしかしたら、家族よりも濃い密度での繋がりで。
子供だった俺がどうすればいいのか、行き先を教えてくれた人。

そして、女の人の吐息が甘く、人肌が温かい事も教えてくれた。


彼女の口癖は、

「何を拗ねているの?
貴方が、今をそんなに不幸だと思うのなら、
うんと幸せにならなくちゃ駄目よ」

そんなセリフだったと思う。

当時は、彼女の言葉の意味全てが理解できたわけじゃなかったけれど、

「生きて、勝ち抜いて、見返してやるのよ」
 
それは彼女のビジネスの理論の様にも思えたし、何かの祈りの言葉の様でもあった。


でも、彼女は、俺が大学生になった年に亡くなった。

胃ガンだった。


彼女は、成熟した魅力的な大人の女性で、柔らかい頬や唇や胸は俺のお気に入りだった。
それなのに1度目の闘病生活を終えて退院して、俺の前に現れた頃には、抱き締めたら折れるんじゃないかと思う位、細く小さくなっていた。
いつも強気だった笑顔が、その時の笑い顔は本当に痛々しくて…
目に宿っていた人を射抜くような強い光は、いつの間にかとても優しい光に変わっていたけれど。


まもなく2度目の入院をした彼女が、もう、自分の前に現れる事はなかった。


彼女の葬式には、たくさんの人間が来ていた。
俺みたいな無力なガキなんか、彼女の死に顔を見る機会も与えられない位、大勢の大人達で溢れていた。
大きな祭壇に安置されていていた、かつての綺麗で柔らかいままの彼女の笑顔の写真を見て、焼香するのがせいぜいだった。
人混みの中、彼女が死んだ事を連絡してくれた知人も見つからず、1人で参列した自分は、彼女がそれこそ命懸けで戦ってきた世界の奥深さに言葉もなかった。
最期の彼女の姿を見ていないから、長い間俺は彼女の死を信じられなかった。


あれは恋愛じゃなかった、と思う。
彼女が永遠にいなくなったのに、友達やガールフレンドと笑い合う事が出来る自分。
相変わらずな日々の中で、ちゃんと腹が減ったり、眠ったりも出来る自分。
埋める事の出来ない、どうしようもない喪失感はあっても、悲嘆に暮れるわけでもなく、普段通りの生活を送っていける。
それが生きているって事なんだと思ったら、ただ無性に哀しかった。

彼女が逝ってしまってから、俺は、もう誰かに置いていかれるのはごめんだ、と思うようになった気がする。
黙って置いていかれるくらいなら、先にこっちが置いていった方がマシだ、と。

もしかしたら自分が年上の人を好きになるのを避けていたのは、根底に彼女の事があったからかもしれない。
またいつか同じように、置きざりにされる日の事を考えて、臆病になっていたのかもしれない。

折りに触れて、幸せを感じる時には彼女の事を思い出す。
この世ではもう2度と会えなくても、絶対に忘れたりしない。


大切な人を何度も失うのはつらい。
他の誰も代わりにならない、そんな相手と、同じだけの長さの命の火が欲しい。
叶わない望みだろうけれど、切実にそう思う。
スポンサーサイト

テーマ : 同性愛・両性愛 - ジャンル : 恋愛

00:08  |  もう一つの過去話  |  トラックバック(0)  |  コメント(9)

Comment


誰にでも、
人に言えないことはある。

言いたくないことも然り。
嘘をついたり。
裏切られたり。
追いつめられたり。
疲れたり。

誰かと出会っても、一生一緒にはいられない。
一緒にいたいと思う人もいない。
恋愛は全部真似事。
相手からすれば、むしろゲーム?

でも、兄貴は彼女と出会って、
少し変われた。
かっしーさんと出会って、
幸せになれた。

正直、少し羨ましい。



勇平 |  2006.11.26(日) 01:44 | URL |  【編集】

あれ?

非公開のはずが・・・・・
間違えた。
編集できねえええええええ!(汗)


・・・・羞恥プレイ?(マジ汗)
勇平 |  2006.11.26(日) 01:48 | URL |  【編集】

あの喪失感、どこに吐き出していいかわからない気持ち、涙も出なくなってこのまま全てが空っぽになってもいいと思っていた時間。

もう二度と味わいたくないのに。
それならひとを好きにならなきゃいいんだと思ってたのに。
それでも好きになっちゃうんだよね?

命の別名、Vさんは見つかりましたか?
わたしはまだみたい。


追伸 勇ちゃん、羞恥プレイなんて(笑)
   素敵だよ?すっごく正直やん。

凛子 |  2006.11.27(月) 00:28 | URL |  【編集】

凛子さんへ

コメントありがとう。

最初に謝っておきますが、もしもこの記事で不愉快な思いをされていたらすみません。
凛子さんのところで、あの時非公開にしたコメントの内容がこの記事です。
(覚えておられるだろうか・・?)

想い想われた相手を、お互い欠けることがありえないくらいの関係になってから奪われるのは、どれだけ耐え難い事だっただろうかと思います。
でも、あの恐ろしい程の喪失感を、また味わう日が来るとわかっていても、誰かを好きにならずにはいられないのが、やっぱり生きているって事なのかもしれない。
だから、俺は凛子さんとたーくんに幸せになってもらいたいんだ。
マキちゃんはね、凛子さんが彼の事を忘れない限り、きっと責めたりしないと思う。
俺は、かっしーと幸せになっても、たとえ不幸になる日がきても、彼女の事は絶対忘れないし、いつか向こうで出逢えた時、ちゃんとそう伝えるつもりです。

>命の別名
 
これ、実は中島みゆきの曲のタイトルなのですが。
(すいません)
その歌の中で、彼女は、もうこれ以上の答えはないだろう、と思うような彼女自身の「答え」を出しています。
そんな完璧な答えがありつつ書くのは、俺としても、ちょっとオコガマシイのですが、
俺の答えは、「熱」。熱量です。

彼の手術の後、入院していた病院に日参していた時、必ず彼が「手を握って欲しい」と言うので、ベッドの傍の椅子に腰掛けて、そうしていました。
体から何本ものチューブを出し、手の甲にも点滴の針が刺さっていたけど、その彼の手を長い間、ずっと。
俺の力をやりたいと思って握っていたのですが、こっちの手のひらが凄く熱くなって、彼の中から熱量が押し寄せてくるような、力を与えようとしているのに与えられているような、不思議な感覚でした。
物理的に手を繋いでいなくても、あの熱量を感じる事ができる限り、彼と俺は共にあるのだと思っています。

一応、部屋は個室でしたw
しかし、それに甘えていたのか? 
いや、彼の親戚の人達はお見舞いの時に、ドアをノックして、返事があってから入って来られていたのですが、看護士さん達は、ノックと共に風の様にw絶妙のタイミングで部屋に入ってくるので、手を離すのが間に合わない時も結構あって。
あの病棟のナースセンターで俺達、もしかしたらちょっと有名になっていたんじゃないだろうか・・
(笑。でも、もう時効だから)

ブログを読ませていただいている限りでは、凛子さんもきっと、凛子さんなりの答えを見つけているんじゃないのかな、と俺は思ってますけど?
V |  2006.11.28(火) 02:51 | URL |  【編集】

勇平へ

卒研、進んでる?

・・これが言ってはならない一言じゃなければいいんだが(汗)

コメントありがとう。
コメントするって、慣れた場所でも(笑)物凄く勇気のいる事だと思う。
よそのブログでもそうだけど、勇平は、辛い記事やしんどい記事にもコメントをくれるだろう?
俺はそれがとても嬉しい。
それは、勇平の本質が、人の痛みを知る者だからじゃないかと思うんだ。
そりゃあ、今はいろいろあるのかもしれんけどw

>恋愛は全部真似事。


恋愛ゲームについては、俺も人の事をとやかくは言えない(笑)
来るもの拒まず、去るもの追わず、いい加減な人間でしたよ。
俺と彼女の付き合いも、俺にとっては意味ある事でも、彼女にとっては、もしかしたら単なるゲームだったかもしれない。
本気で惚れ合った仲じゃなかったしね。

勇平の年の頃、俺がこの世で一番嫌いなのは自分自身だった。
独りでも生きていけると思っていたから傲慢だったし、そもそも心から誰も信頼できない(でも表面はそうは見せない)ような人間だったよ。
そんな俺を変えたのも、幸せにしたのも、やっぱり彼だな。
うん、それについては否定はしません。
いや、惚気じゃないんだって(大焦り)

でも、この年になっているから言えるんだけど、どんな事にもきっと意味はあると思う。
どんな苦しみも辛さも、いつかそれが何かの力になる日が来るよ。

ところで、コメント羞恥プレイwですが、どうする?
管理人として、俺がコメント編集しようか?
俺としては、このままの方が嬉しいですけどね・・

よし、このままいこうか!(笑)

羞恥プレイと言えば、このブログ自体が羞恥プレイだっての!(爆)
別に自分はMじゃないよ、と言いつつ、自分の生活をさらして、みんなにここを見て貰いたい、コメントして貰いたい、と思うのは立派なM気質・・(以下略)
V |  2006.11.28(火) 02:59 | URL |  【編集】

初めまして

智明さんのところから来て、以前より密かに(苦笑)読ませて頂いてました。

この記事を読んでいて、五木寛之の「レッスン」と言う小説を思い出しました。ある青年と、魅力的な年上の女性とのお話なのですが・・・

いつの頃からか自分自身は、人との死や別れを、心の中で納得するためになのか、生きている間にその人と一瞬でも時間を重ねられたことを、幸福なことだったと思うようにしています。ほんの少しでも、自分と関わってくれて、自分にその大切な人生の一部の時間をくれたことを感謝しようと・・・
でも、失うことに、まだ怯える自分もいるんですけどね(苦笑)
桔梗 |  2006.11.30(木) 02:36 | URL |  【編集】

久しぶりで夜更かしをしております。

前に文化祭の思い出の記事がありましたね。
色々活躍する青春時代(いや、今も青春?)のVさんを
地味で人との付き合い方が上手くなかったあの頃の私は
きっと眩しく思ったことだろうと思いながら読みました。
だから自暴自棄になっていた頃があるなんてちょっと驚きでした。

「人生のきまぐれなうわべは目にすれど、
 かくされた泉は知るよしもなし」

思い込みで言葉を口にしてしまう事もあるのですが
人を気遣うことができて受け止められるものになりたいなぁ、などと今更ながら思いました。

このコメントこの場に合ってます?
なんか的外れで薄っぺらい気がしてきたけれど…
温室の中にいるみたいでいろんな事がわかっていなかった思春期や最近参列した伯父の告別式や
Vさんの文章を読んで、何か小石をひとつ投げ込まれ心の中の池が波立った感じがしたことを伝えたかったのだと今書いていて思いました。


結婚前が不安定だったわけではないですが、結婚してからの方が心の安定を感じています。
当初は親からの自立、好きな人と一緒にいる喜びのためだったのかな。
今はあの頃の恋愛のような気持ちはどこかに隠れていて信頼という言葉が最初に思い浮かぶ。

一般的な考えとして女の方が長生きだから
自分が彼を看取るのだろうなと思っています。
大切な人を無くしたことがないからかもしれないけれど
今の私には置いていくほうが辛い。
辛くても私の方が後…
そこら辺は「女の覚悟」ってことです。


なんだか夜はいけませんね。
きっとこれは朝になって読み返したら恥ずかしくて捨てた手紙と同じだと思うけれど、言いたいことを少し言えた気もするのでこのまま送信します。
チェリー |  2006.11.30(木) 03:39 | URL |  【編集】

桔梗さんへ

こちらこそ初めまして。
智明さん家からご来訪、ありがとうございます(笑)
でも「密か」なんだ?
怖くないですから、正面玄関からどうぞ。
(って、どこだよそれは・・w)

桔梗さんのブログにも行ってみましたよ!
何か、うちとは違って(汗)アダルティというか、ムーディというか、
あんまり言ってたら、所信表明演説でカタカナ語を連発した何処かの国の総理大臣みたいになってきそうなので(笑)この辺りで。

>五木寛之の「レッスン」

残念ながらこれ、読んだ事ないです。
でも「○んなの書店」の店長レビューを見て(笑)、ちょっと読んでみたい気持ちが湧いてきました。
(俺達の場所はフィレンツェではなかったですがw、
年上の謎めいた女性、ってのは、まさにそうですね・・)
五木寛之は、渡辺淳一よりは好きで、藤本義一よりはちょっと・・
という自分の中では微妙な位置づけなので(笑)
これからハマってみたい作家です。

>その人と一瞬でも時間を重ねられたことを
>その大切な人生の一部の時間をくれたことを感謝しようと

袖摺り合うも多少の縁、と言いますが、たくさんの偶然が重なって出逢えた人達との時間を、その日々を感謝し、暮らしていく事。
当たり前のようで、実はなかなか有り難い事じゃないかなって思います。
自分も桔梗さんのように思えるように生きていければいいな、と。
でも俺、執着心が強いので(笑)、なかなかそこまでは、と、反省することしきりです。

またお越しください。
V |  2006.12.02(土) 12:31 | URL |  【編集】

チェリーさんへ

お久しぶりです!
いや、俺も最近妙に眠くて。
段々夜更かしがキツくなってきた(笑)

>前に文化祭の思い出の記事がありましたね

あれは「使用前・使用後」って感じですね(笑)
中学生までの自分が「使用前」、高校進学を機に親元から離れて過ごした自分が「使用後」みたいなw
いい友人達にも恵まれて、最高に楽しい高校時代だったですよ。
俺の中学時代の卒業アルバムとかを見たかっしーも、

「お前、顔が違う」

って言いましたから、マジで(汗)
「表情が怖かった」らしいです。

「写真うつり悪くて悪かったな」

と、逆ギレしてみたり(ははは)

>温室の中にいるみたいで

うーん、ステレオタイプって、俺、嫌いじゃないんですよね。

好きな相手と、誰からも認められる結婚をして、家庭を作って、家族と幸せに暮らす。
そんな、ごく一般的な普通の道を自然に選んだチェリーさんに、
自分が選んだ道を後悔していなくても、憧れみたいな物は正直あります。

でも、それぞれの人生の中で抱く葛藤は誰しもあるだろうし、各自の価値観に基づいた「普通の人生」を、足掻きながら送っていく事も大切な過程だと思うわけです。
俺も、じーさんになっても、「今が一番幸せ」と笑える人生を送りたいもんだな、と思います。

>置いていくほうが辛い。

うん、置いていかれるより置いていきたい気持ちは、この当時の方が濃厚でしたね。
今の自分はきっと、チェリーさんと同じかな。
年齢的に言っても、体調の面からもきっと彼の方が先にいくと思うので、
(といっても生身の身体なので、何があるか一寸先は闇なのですが)、
その時の事を思ったらたまらない気持ちになるけど、今はもう覚悟は出来た、という感じです。
それにね、惚気じゃないんだけど、彼は俺がいなくなったらきっと生きていられないと思うし・・
(あっ、書いていて、こっぱずかしい・・v-42
でも大袈裟じゃなくて、本当にそうなんだって。
深情けも極まれり、って感じの恋人なので。
単に、俺の方が看取るって覚悟を書いてるだけなんですよ!!
(↑力説↑)


夜の呟き。

それは、問わず語りの。

心の奥底に眠っていた石を無心に拾い集める、

果てしない贖罪にも似て。


夜はセンチメンタルになってしまいますよね・・
でも、俺のところには、ちゃんと届いたから。
V |  2006.12.02(土) 13:18 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除に必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://shaguma.blog45.fc2.com/tb.php/192-cf88b412

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。